()||9<黑屏1>0,10黑屏1>BGM_Empty:
RO635(0)RO635||202<黑屏2>:ファイル整理も、なかなか楽しいものですね。+戦術人形を引退したら、そういった仕事に就くのもアリかもしれません。
RO635(0);NytoIsomer(4)ダンデライオン||:演算のサポートを。//n記憶の部分を分離、抽出するわ。
RO635(0)RO635||<白屏1>:分かりました、これより処理します。
()||<白屏2>72:開豁とした電子空間に、精巧な扉がひとつ出現した。+扉の表面には、咲き乱れる花々やその周囲を這う藤蔓が彫られている。
ダンデライオン()||:記憶の欠片を見つけたようね。
()||:ROはゆっくりと扉を開けた。
()||:扉の先には、一面のエピフィラムが広がっていた。//n姿のよく似た数名の異性体が、永遠の夢境に陥ったかのように、//n静かに横たわっている。+月明かりの憐れみのもと、それらの身体が//n透き通ったピンク色の欠片となって、その場に浮かび上がった。+欠片の表面には、記憶の断片がちらほらと瞬いている。
RO635(0)RO635||:これは、OGASと融合した異性体たちの記憶?+ダンデライオン自身の記憶も混じっているみたい、簡単には見つからなさそうね。
ダンデライオン()||:あなたの触れた記憶は、全て外部の設備へとアップロードされる。+こちらからも欠片の内容を直接確認できるわ。
RO635(0)RO635||:了解です、欠片の処理を始めます。
()||BGM_Empty<黑屏1>:ROは恐る恐る、暗澹とした色味の欠片に手を伸ばした。
M16A1()||127<黑屏2>:【お前が強くなった時、また会うことになる。】
M4A1()||:……
AR15()||:これは……あの時の?
M4A1()||:ええ。コーラップス爆弾が爆発したあと、//nエルダーブレインを追っていた時の記憶よ。
()指揮官||:軍とエルダーブレインを奪い合っていたのは、やはり君たちだったか。
M4A1()||:指揮官、ご存知だったんですか?
()指揮官||:爆発が起きたあと、アンジェから報告をもらったんだ。+当時、彼女も君たちと連絡が取れない状況だった。//nだから知っているのはこれだけさ。
M4A1()||:すみません……指揮官……//nコーラップス爆弾を爆発させたのは、私です……+そのせいで指揮官が重傷を負われたことは知っています。+グリフィンが多くの優秀な人形を失ったことも。+彼女たちはもう戻って来ない、//n彼女たちの意識は永遠にこの世界から消えてしまった。+もしあの時私が、もっと上手く立ち回れていたら……
()指揮官||:君が爆弾を起爆させていなかったら、//n私は彼女たちと同様、この世界から消えていた。+戦場に「もしも」なんてものはない、君が私を助けてくれたんだ。//n君は十分良くやったよ。
M4A1()||:でも、あれだけの犠牲を払ったのに、任務を達成できなかった……
()||BGM_Sad<黑屏1>:M4はそう言いながら、過去の自分に目を向けた。
()||99<黑屏2>:弾倉はすでに空だとわかっていても、//nM4は力ない様子でトリガーを引き続けた。+世界が静寂に包まれる。+轟々と大陸間列車が前進する音。+真冬の冷たい風が吹きすさぶ音。+雪の重みに耐えきれず、樹枝が折れる音。+何もかもが消え去った。+ただ一つ、M4が空のトリガーを引く音だけを除いて。+M4はもはやそれが、自分がトリガーを引いているのか、//n単なる幻聴なのか分からないでいた。+「カチャッ」、「カチャッ」、「カチャッ」……
M16A1()||:そろそろだ。
()||<闪屏>10203052,99闪屏>:M4が顔を上げると、いつの間にか頭上に一台の輸送機が出現していた。//n長い縄梯子の末端に、M16がぶら下がっている。+M16は最後にM4を一瞥すると、//n振り向きもせずにエリザを抱えたまま上へと登り始めた。+M4はただ独り、列車の屋上に取り残された。+小さくなっていくM16の背中を、呆然と見上げている。
()||:無音だったM4の世界が、急にボンヤリとし始めた。//n形の無い気流に推されるかのごとく、視界が揺れ動いている。+彼女は茫然と後ずさった。+列車の先頭から激しい爆発音が聞こえたと同時に、//n炎がM4へと襲い掛かる。+M4はとっさに体を持ち直し、即座に身を翻すと、//n背後の車輌へと勢いよく駆け出した。
M4A1Mod(0)M4A1()||:16姉さん……+どうして……+どうしてなの!?
()||Explode:先頭に続いて、車両が次々と爆破されてゆく。//nM4はあっという間に最後尾にたどり着いた、もはや逃げ場はない。
M4A1Mod(0)M4A1()||:ここまでなの……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||BGM_Empty:M4――!+M4、飛んで!!
()||:AR-15の叫ぶ声が、鋭利な石のようにM4の障壁を砕いた。//nありとあらゆる音が、再びM4の意識へと流れ込んでいく。+強風の吹き荒れる音や、激しい爆発音が急に鮮明さを帯び、//n波濤のごとくM4へ向かって押し寄せた。+一瞬の出来事に彼女は眩暈を覚える。+バイクを駆るAR-15が、必死に大陸間列車に追いつこうとしている。+出来るだけ列車に近づこうと、彼女は幾度となく車体を傾けた。+爆発による火焔は、M4にためらう猶予すら与えなかった。+振り向いてAR-15に呼応しようとするも、//n先ほど後ずさった数歩で既に列車の端まで来ていた。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:私が受け止める!飛びなさい!
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A11||:15!お願い!
()||AVG_brake<震屏3>:M4が飛び降りる。//nAR-15は懸命に位置を見計らって、M4の躯体を受け止めようとした。+次の瞬間、M4が勢いよくAR-15に衝突し、//nバイクがコントロールを失って転覆した。+二人は宙に投げ出され、地面へと叩きつけられる。+列車は爆発の衝撃により脱線し、//nやや離れた場所で大爆発を引き起こした。+列車の残骸からたちこめる濃煙により、//n輸送機の向かった先は完全に分からなくなった。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:ゴホッ……ゴホッ……M4、大丈夫?
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:平気……内部フレームに損傷が……でも、なんとか立てるはず。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:まさか最後の最後で、やつらにエルダーブレインを奪われるなんてね。+あの輸送機を追いかけないと。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:違う……鉄血じゃない……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:鉄血じゃない……って、どういうこと?
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:エルダーブレインを……+攫ったのは……
()||:M4は唇を噛みしめた。AR-15が静かにその様子を見ている。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:エルダーブレインを攫ったのは、M16よ。+M16姉さんが……私たちを裏切ったの……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||Heartbeat:なん……ですって……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:RO……SOP IIも、おそらくすでに……+AR小隊は……もう存在しない。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:…………
()||:沈黙が辺りを包んだ。//n炎の燃え盛る音だけが、世界に充満している。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:私たちの小隊は、なくなった……任務は失敗よ……+グリフィンも、私のせいで壊滅してるかもしれない……+戦場はすでに汚染区域……+人間である指揮官や、アンジェさんは、もう……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:それ以上言わないで!
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:全部、私のせい……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:言わないでって言ってるでしょ!
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:…………
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:ここを離れなきゃ。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:離れるって、どこへ?
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:私にも……わからないけど……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:……やっぱり……行くところなんてないのよ……
AR15Mod(0)ST AR-15||<黑屏1>:もうやめて。//nあんたはここにいなさい、私がなんとかするから!
()||9<黑屏1>:………………10分後。
AR15Mod(0)ST AR-15||99<黑屏2>:だめだわ……バイクは完璧に壊れてる……+修理用のパーツなんてあるわけないし。+M4、誰か通信に応答した?
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:…………
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:M4!
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:してない……誰も応答しない……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:こっちもよ……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:もう何の意味も無い……どこにも帰る場所なんて無い……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:誰か必ず答えてくれるはずよ、絶対に……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:本当にそう思ってるの?+思い出してみてよ、エルダーブレインを追いかける前の事……+あの状況で、生き残った人がいるとでも……?
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:私には……わからないわ……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:………………
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:………………
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:あのね……15……私は確かに、AR小隊の隊長だった。+でも、私に選択肢が与えられた事なんて、一度もなかった……+もし私が今、何かを選んだら……15は同意してくれる?
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:どうしようもない隊長だとは思ってるけど、//nあんたの命令には決して背かないわ。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:そう……+もし、ここで私がM16姉さんの小型砲台をオーバーロードさせたら……+私たちは一瞬でこの世から消え去ることが出来る……
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:…………
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:止めないの?
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:あんたが本当にそう望んでいるならね。
M4A1Mod(0)M4A1||:私……+もう……+本当に、疲れた……
()||<黑屏1>:M4はゆっくりと砲台にエネルギーを充填し始めた。//nだが、砲口は開いていない。
M4A1Mod(0)M4A1||m_avg_labyrinth9<黑屏2>:これで、全てが終わるなら……
()透き通った声||:いいえ、まだ終わりじゃないわ。
M4A1Mod(0)M4A1||:!!
()透き通った声||:全ては始まったばかりよ、こんな選択は許されない。
M4A1Mod(0)M4A1||:なによそれ、なんで私は選んじゃいけないの!?+誰もが私から選択肢を奪っていく!+もういい加減にして!
()透き通った声||:生き残る事でしか、選び取る機会は与えられない。私の言う通りに……
M4A1Mod(0)M4A1||:いやよ!あんたの声なんか聞きたくない!
()透き通った声||:いいえ、聞くのよ。新たな敵が付近に出現したわ。+グリフィンの信号は完全には途絶えていない。//nこの戦いはまだ終わりじゃないのよ。
M4A1Mod(0)M4A1||:終わったのよ、何もかも!+私は失敗した!私が何もかも台無しにしたの!+私にはもう……存在し続ける理由なんて……ない……
()透き通った声||:いいえ、あなたには存在し続けてもらうわ。+あなたの過去、あなたの存在。//nそういった未知が、あなたに解き明かされるのを待っているのだから。
M4A1Mod(0)M4A1||:未知を解き明かしたいのはそっちじゃない!+何考えてるのか知らないけど、//nもうあんたに騙されるのも弄ばれるのもウンザリなのよ!+諦めなさい!あんたは私とここで消えるの!
()透き通った声||<黑屏1>:………+仕方ないわね、こんな事したくはないけれど。//nでもこれはあなたのためなの、そして「私たち」の。
M4A1Mod(0)M4A1||AVG_whitenoise99<黑屏2>:………!
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||BGM_Empty:M4……どうしたの?
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:………
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:M4?
()||:M4はエネルギー充填パネルを押さえていた指を離し、//n砲台を再び背負った。
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:なんでもないわ、軍の信号ステーションを探さないと。+軍のネットワークに侵入すれば、戦場の情報を入手できるはずよ。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:あんた……さっきは……
AR15Mod(0);M4A1Mod(0)M4A1||:気が変わったの、こんな事をしてる場合じゃないわ。+戦場から離れすぎている、早急に通信を立ち上げないと。+アンジェリアでもグリフィンでもかまわない。
AR15Mod(0)ST AR-15;M4A1Mod(0)||:確かに……そうね。+どうしていきなり冷静になったの?
M4A1Mod(0)M4A1||<黑屏1>:こんな時こそ冷静でなくてどうするの?早く行動を始めましょう。
RO635(0)RO635||9<黑屏2>:あの時……ダンデライオン、あなたがM4をコントロールしてたんですか?
RO635(0);NytoIsomer(4)ダンデライオン||:他に選択肢はなかったわ、ルニシアはすでに行動する意欲を喪失していた。+だから、なんとしても彼女を最も危険な状況から逃れさせる必要があった。+戦術人形が二人野外にいたのでは、すぐにパラデウスに見つかってしまう。+彼女が「お父様」に連れ去られていたら、//n形勢は急激に悪化していたでしょうね。
RO635(0)RO635;NytoIsomer(4)||:白いやつら……当時、わたしはダイナーゲート状態でしたけど、//nとても印象に残っています……
()指揮官||:偏向障壁か。
RO635(0);NytoIsomer(4)ダンデライオン||:その通り、だから私はパラデウスを避けるルートを選んだ。+AR-15、その時点であなたは既に、//nルニシアの異変に気づいていたのでしょう?
AR15Mod(0)ST AR-15;NytoIsomer(4)||:当たり前よ、いきなり積極的になるなんてM4らしくないわ。+でも、そうすることで本当に彼女を救い出せるのなら。+耐えるしかないでしょ。
AR15Mod(0);NytoIsomer(4)ダンデライオン||:最終的に勝利を手にできれば、何を犠牲にしようとかまわない。+さすがはAR小隊ね。
()指揮官||:……M4と15が逃げられたのは、君のおかげだったのか。
NytoIsomer(4)ダンデライオン||:ルニシアの負った傷の深さは、あなた方の想像を遥かに超えるわ。//n彼女はずっと、自問と自責のスパイラルへ陥っていた。+でもだからといって、簡単に彼女に自身を壊してもらっては困るの。//n彼女の価値は、誰もが想像するより遥かに高いのだから。
()指揮官||:どういう意味だ?
NytoIsomer(4)ダンデライオン||:そのうち分かるわ。今は早くルニシアの記憶をアップロードしてしまいたいの。
()指揮官||:……わかった。
M4A1Mod(0)M4A1;NytoIsomer(4)||:私は……そこまで価値のある存在だなんて、思われたくない。
M4A1Mod(0);NytoIsomer(4)ダンデライオン||:価値とは客観的なもの、あなたがどう思おうと関係ないわ。
()指揮官||:ゴホン……+それで、君とAR-15はどうやって戻って来たの?+撤退中に君たちがいた形跡は一切見当たらなかったけど。
AR15Mod(0)ST AR-15;NytoIsomer(4)||<黑屏1>:続きを見ましょう、すべてM4のメモリーに記録されてるわ。+すぐに分かるはずよ、私たちの身に何が起きたのかね。