()||9<黑屏1>0,10黑屏1>BGM_Empty:
()||<黑屏2>221BGM_Sneak:……+基地深部。+エゴールの機甲が基地の更に奥を目指して前進している。+パラデウスが基地を改造などしていなければ、//nとっくに地図の通りに、基地の最深部へとたどり着いているはずだった。+狭い空間の中では、機甲は小回りが利かない。//n反逆小隊の人形が、絶えず彼の死角から攻撃を仕掛けてきている。+幸い、火力に関しては機甲の圧倒的優勢だった。//n火力システムによる反撃のもと、反逆は撃退を余儀なくされる。+不意にエゴールは反逆小隊の攻撃頻度が落ちていることに気が付いた。//n人形どももついに壊れたか。
()||Explode:(爆発音)+その時、頭上から大きな音がした。
NPC-Yegor(4)エゴール||:アンバー、こちらアース、応答せよ。
()||AVG_whitenoise:しかし無線から聞こえるのはノイズだけだ。+自身の他の部隊と同じように。
NPC-Yegor(4)エゴール||:残ったのはオレだけか。
()||:エゴールは無線を置いた。一息つく合間に地図を確認する。+ふいに懐かしい感覚が彼を襲った。第三次大戦で経験した、あの感覚だ。+ドイツのシュヴァルツヴァルト深くで、敵と渡り合っていた時の感覚だ。+周囲は恐ろしいほどに静まり返っている。//nまるで世界には自分一人しか存在していないかのようだ。+だが五感は付近に何かが潜んでいると告げている。+敵だ、自分を殺そうとしている敵。+すぐそこにいる。+あの時と同じように。
NPC-Yegor(4)エゴール||:どこにいるかは分かってる。+お前を殺せば、制御室は目の前だ。
()||:誰も彼の独り言に答えない。その場にいるのはエゴールだけだとでもいうように。+だがエゴールにはよく分かっていた。//nひいてはその者の匂いすらも感じ取れる。+アンジェリア。ことごとく彼の前に立ちふさがる女。//n今回も例外ではない。
NPC-Yegor(4)エゴール||:ネズミどもめ。
()||:(物音)+アンジェリアが呼応するかのように。+廊下にある最後の照明が消えた。
()||:(衝突音)+続いて金属が地面に落ちる音して、煙幕が勢いよく噴き出した。
NPC-Yegor(4)エゴール||<黑点1>:くだらん真似を。
()||<黑点2>9:機甲のモニターに映るのは、真っ暗闇だけだ。//nエゴールはシステムを赤外線モードへと切り替えた。+すると、数発の焼夷弾が角から投げ入れられ、通路が燃え上がった。+瞬間、スクリーンの赤外センサー画面が真っ白になる。
()||Gunfight:視覚を遮られたその刹那、一発の弾丸が静寂を破り、//n監視カメラのポイントめがけて飛来した。//n機甲の左視野が瞬時に機能しなくなる。+エゴールの機体が大きなうなり声を上げた。//n損傷を回避すべく、後方への退避を余儀なくされる。
()||BGM_Empty:その時、後方から突如音がした。
()||Explode10065:(爆発音)+支柱に爆薬が設置してあったのだ。エゴールは機体が//n僅かに傾くのを感じた。だがどうということはない。+歩兵クラスの爆薬などに潰されるような機甲ではないのだ。+息もつかせずに、再び弾丸が煙幕を切り裂いた。//n今度は露わとなった関節の液圧が標的だ。+エゴールは手元にある副砲を操作し、//n弾丸が射出した方向へと砲弾を放った。+……ふいに攻撃が止んだ。+エゴールは副砲を構え、周囲の環境を素早く見渡した。+左側のカメラが破壊されているため、//n機体の方向を調整し続けるしかない。
()||RunStep:その時、発砲のあった位置に、とある人影が破損した掩体から飛び出し、//n射界の外へと走って行った。
NPC-Yegor(4)エゴール||:ここか!
()||Gunfight:エゴールは急いで機甲を右へと回転させ、//n人影のいる位置に向かって火力制圧を始めた。//n機砲の音が狭い空間に響き渡った。+人影は硝煙の中に消えたが、ふいに、得も言われぬ違和感が彼を襲った。+本能を頼りに、エゴールはすぐさま機甲を左へと動かした。//n同時に左側から飛び出してきた影は、瞬く間に機体の目の前へと躍り出た。
NPC-Yegor(4)エゴール||:何ッ?!
AK15(1)AK-15||:……
()||:AK-15が爆薬を手にエゴールの射程へと迫ってきたのだ。+エゴールは即座に動力レバーを押し込み、機体を前進させようとする。
()||Explode:だが既に遅かった。//nAK-15の持つ爆発物が機甲の脚部関節部で勢いよく爆破した。+コクピットのモニターは一面赤だ。//n眩く点滅する故障ランプとけたたましいエラー音声により、//nエゴールは機体の損傷具合を直観的に理解した。+脚部は既に動きを止めたが、ブースターには燃料が残っている。//n馬力を上げれば、敵との距離を取ることは可能だ。+距離さえあれば、人形の武器など脅威足り得ない。+だが相手は、そんなチャンスを与えるつもりはないようだ。
NPC-Ange(1)アンジェリア||<黑点1>:取り囲め!
()||216<黑点2>:機甲の背後より、密かに接近した人形たちが、一斉に襲い掛かって来た。+エゴールは副砲で人形たちを撃退し始める。//nだが経験豊富な反逆小隊は重心を低く保ちつつ、//n副砲の死角を駆け回り、素早くエゴールの機甲に接近する。
()エゴール||:いい気になるな!
()||<黑点1>:エゴールは機甲のミサイルを真上に向けた。//nそして一度に全ての高殺傷ミサイルを打ち出した。
()||<黑点2>217Explode<火花>:ミサイルは天井で爆発し、弾け飛んだ無数の欠片が、//n再度接近を試みる人形たちの上へと降り注いだ。
()AK-15||:掩体に回避!
()RPK-16||:見つけました!
()AN-94||<黑点1><关闭火花>:こっちだ!
()||<黑点2>221:激しい振動の中、エゴールは慎重に機甲のバランスを維持していた。+これほど近距離のミサイルによる爆発は、//n彼にとっても耐え難いものだった。//nだが機体の装甲なら、まだ高性能爆弾の破片による打撃に耐えられる。+エゴールは接触不良のモニターを勢いよく叩いた。//nモニターのスクリーンが何度か瞬いて、スノーノイズから回復する。
NPC-Yegor(4)エゴール||BGM_Empty:運が良い。
()||:煙霧が晴れ、炎が緩やかに収束してゆく。+照明をつけると、先ほどまで自身に立ち向かっていた//n獰猛な人形たちの残骸が床一面に転がっていた。+通路は爆発により判別付かなくなっており、//nどちらから来たのかも分からない。+まるで夢でも見ていたかのように。
NPC-Yegor(4)エゴール||:雑魚どもが、時間を無駄にさせおって。
()||:残る問題はただ一つ、アンジェリアだ。+エゴールにはあの女が、ミサイルの爆発などで死ぬとは到底思えなかった。
()||Explode<黑屏1><火花>10258:(爆発音)+不意の爆発。+エゴールの機体が音を立てて倒れた。
NPC-Yegor(4)エゴール||<黑屏2>9:な――!
()||:血が額より流れ出る。//nまだ生きている、それははっきりと彼にも分かっていた。+機体の左足は完全に沈黙しているが、//n片面走行の技術はまだ忘れていない。+しかし次の瞬間、モニターに映った光景に、彼は息をのんだ。+それは両足を失った人形だった。+彼女は身を挺して彼女を守った戦友の下から這い出ると、//nもう一つの傷ついた素体より爆弾を受け取った。+彼女はゆっくりと、だが力強く機甲の左側へと接近している。+彼女は最後まで残った人形だが、//n決して一人で戦っていたわけではなかった。
()AK-12||:アンジェ、任務完了よ。
()||Explode<黑屏1><关闭火花>:(爆発音)+機甲脚部とその人形は、共に炎に呑まれた。
NPC-Ange(1)アンジェリア||<黑屏2>221:お疲れ様。
()||<黑屏1>:あの憎々しい女の声が、無線の中からエゴールの耳へと届いた。+公共チャンネルを利用する行為自体、甚だしい挑発に他ならない。+だが女の声よりも、彼には遠くから聞こえてくる爆発音が気になっていた。+機甲のブースターは完全に爆破されている。//n機体の移動能力も完全に沈黙していた。+彼には分かっていた、もはやこの場から逃げることなど出来ないのだと。//n何故ならアンジェリアは、//n確実にこちらのコクピットに照準を定めているはずだ。+頭上から立て続けに機械音が鳴った。//n天井がゲートのように次から次へと開け放たれ、上層への通路へとなった。+どうしてか、彼にはそれが地獄へと続く昇降機に見えた。+その通路の果てから轟音がどよめいている。//nクラーケンが襲い来るような轟音だ。+それは海水が基地へと流れ込む音だった。+エゴールはアンジェリアの計画に気づいたが、//n彼にはどうすることもできない。+任務に失敗した。//n彼の心にはこの思いだけがこびりつき、ぐるぐると巡る。+彼は家族の写真を取り出すと、徐々に鮮明になる海水の咆哮の中、//n静かに最後の審判を待った。