()||73BGM_Wake:……グリフィン基地、射撃訓練場にて。
()||73Gunfight:銃声の響き渡る訓練場の床いっぱいに、灼熱を帯びた薬莢が転がっている。
SV98(0)SV98||73:ヒット、ヒット、ヒッ――
SV98(0);SVD(0)SVD||73:おーい、他の人はもうみんな帰ってったぞ。//nそろそろ終いにしておいた方がいいんじゃないか?
SV98(0)SV98;SVD(0)||73:まだです。
SV98(0)SV98;SVD(0)||73:私はもっと強くならなければいけません、//nもしまたあのような状況に陥ったら……
SV98(0);SVD(0)SVD||73:それか……
SV98(0);SVD(0)SVD||73:お前にこの訓練は合っていなんじゃないか?//nアサルトライフルでも、ましてやサブマシンガンでもないんだぞ。
SV98(0);SVD(0)||73:SVDはSV98の狙う先に目を移した。//n的は前後左右に素早く移動するうえ、不規則に出現する仕様のものだ。
SV98(0);SVD(0)||73:……ボルトアクション式ライフルの欠点はいたって明確だ。//nこういった動きの敵に対応できない。
SV98(0)SV98;SVD(0)||73:それでも、不得意な近距離戦闘を克服しなければ、//nまた皆を危険に晒してしまうことになります。
SV98(0);SVD(0)SVD||73:努力でなんとかなるものか……?//nどの人形にだって、得意不得意はある。
SV98(0)SV98;SVD(0)||73:SVDのような優秀な人には分かりませんよね。
SV98(0)SV98;SVD(0)||73:私にとって、この程度の努力さえしないのは、//n自分で自分を使えないガラクタだと言っているも同然なんです!
SV98(0);SVD(0)SVD||73:……フン、そうか。//nなら私からはもう何も言わないでおくよ。
()||73Reload:離れていくSVDの後ろ姿を見つめながら、SV98はため息をついた。//n弾倉を引き抜き、再び弾を装填する。
SV98(0)SV98||73:SVDにはお礼を言わなければいけない立場なのに……
SV98(0)SV98||73:強くならなきゃ、皆に合わせる顔がありません……
SV98(0)???||73:こんな時間だってのに、まだ訓練してる人がいたなんて。
SV98(0)SV98||73:指揮官!
SV98(0)||73:百発近くの、それも同じ口径の弾が床に広がっているのを見かけてね……
SV98(0)指揮官||73:もしかしてこれ、全部SV98が撃ったの?//nまさか実はトリガーハッピーでした~なんて言わないよね?
SV98(0)SV98||73:その、一応カリーナさんには話を通してあります!//n弾薬の予算を超してしまうようなら私の給料から出しても……
SV98(0)指揮官||73:何言ってるの、自主的に訓練できるなんていい事じゃないか。//nもちろん応援するよ。
SV98(0)指揮官||73:でも、物事には限度っていうのがあるよね?
SV98(0)指揮官||73:もしかして……まだ前の任務のことを気にしているの?
SV98(0)SV98||73:はい、あの時の失態を繰り返さないためにも私、強くなりたいんです。
SV98(0)SV98||73:いえ、強くならないといけないんです。
SV98(0)指揮官||73BGM_Empty:そんなに強くなりたいの?
SV98(0)SV98||73:ダメ……ですか……?
SV98(0)指揮官||73GF_Memorial:SV98、自律的に動く人形をどうして人間が造り出したかはわかるかい?
SV98(0)SV98||73:それは……コーラップスによる災害と第三次大戦のせいで、//n人口と労働力が激減したからでは……
SV98(0)指揮官||73:そうだね、模範的な回答をありがとう。
SV98(0)指揮官||73:でもそれに限って言うと、わざわざ自律的に動ける人形にする必要はないんだ。//n普通のAIロボットだって労働力になれるからね。
SV98(0)SV98||73:……指揮官の言ってることがよく分かりません。
SV98(0)SV98||73:では私たちはどうして造られたでしょうか?
SV98(0)指揮官||73:そうだなあ、あくまで私の考えだけど……
SV98(0)指揮官||73:私たち人間は不完全だからこそ……//n同じように不完全なお友達が欲しかったんじゃないかな。
SV98(0)SV98||73:え?どうして?
SV98(0)指揮官||73:命令を全て忠実にこなすロボットじゃ、//n洗濯機や電子レンジ、それと軍用人形とほとんど変わらないよね?
SV98(0)SV98||73:私たちは……軍用人形にはなれないのですか?
SV98(0)指揮官||73:わざわざ軍用人形になる必要ある?
SV98(0)SV98||73:てっきりそれが、私たちに期待されていたことかと……
SV98(0)指揮官||73:彼らと君たちは全く関係ない。
SV98(0)指揮官||73:君たちには居場所があるじゃないか。//nこの、グリフィンっていう場所が。
SV98(0)指揮官||73:君たちの手本である私たちも、時々間違いを起こすことはあるよ。
SV98(0)SV98||73:私たちは不完全なものとして、//n初めから欠点を持って造られた……そういうことですか?
SV98(0)指揮官||73:そもそも「完全」や「完璧」ってなんなんだろう?
SV98(0)指揮官||73:それに「個性」なんてのも、「不完全」だからこそ出来るものだよね?
SV98(0)SV98||73:個性……
SV98(0)SV98||73:私の欠点も……「個性」になり得るのでしょうか?
SV98(0)指揮官||73:少なくとも向き合う必要はあるだろうけどね。//n軽く見ちゃいけないし、重く見過ぎてもいけない。
SV98(0)指揮官||73:怖がるあまり、それ自体を取り除こうとしても意味はないんだ。//n自分がそれに打ち勝てる日が来ることを信じなきゃ。
SV98(0)SV98||73:わかりました……指揮官……
SV98(0)SV98||73:しかし……今の私にはどうしたらいいのか分からないのです……
SV98(0)指揮官||73:思い悩んでいる時こそ、答えは出ているものだよ。
SV98(0)SV98||73:へ?
SV98(0)指揮官||73:今のやり取りで、君は少なくとも自分の弱点や限界について理解したでしょ?
SV98(0)指揮官||73:強くなりたい。そう思う事こそがなによりの第一歩だ。
SV98(0)SV98||73:たしかに私は自分の限界を理解しました……
SV98(0)SV98||73:ですが……
SV98(0)指揮官||73:実はね、ついこの間IOPの方から連絡が来たんだけど……
SV98(0)SV98||73:えっ?
SV98(0)SV98||73:まさか――
SV98(0)||73:私の話を聞いたSV98は、大きく眼を見開いていた。
SV98(0)||73<黑屏1>:興奮を、その眼差しの奥に宿して。