()||BGM_Empty9<黑屏1>0,10: ()||<黑屏2><黑屏1>:……三匹の熊が散歩から帰ってくると、//n温かいはずの我が家は、見る影もなく変わり果てていた。+皿やコップが散乱した食卓、バラバラになった椅子、//n侵入者の足跡がそこら中に付いている。+クマの母さんとクマの父さんは、目の前の光景が信じられないようだった。+だが、最も小熊を傷つけたのは…… ()||7BGM_Sneak<黑屏2>:二度と目覚めないかもしれないという最悪の結末を覚悟したものの、//n事態はそこまで悪くはならなかった。+AS Valがやっとのことで瓦礫から這い出た時、懐のクマは無傷だった。 ASVAL(0)AS Val||:うっ……あぅ……イタタ。+あ、クマはちゃんといる……みんなは? ()||:あたりを見回すと、AS Valは自分が雪原にいることに気付いた。+ヘリコプターの残骸と、振り落とされた戦術人形たちが、//n落下点の周りに散乱している。+その中の何体かはすでに起き上がり活動を始めていた。 AK74U(0)AK-74U||:誰かいるか?生きてたら答えろ! ASVAL(0)AS Val||:私はここです! AK74U(0)AK-74U||:AS Val!よかった…… ASVAL(0)AS Val||:皆さん大丈夫ですか?無事ですか? 9A91(0)9A-91||:瀬戸際でヘリが緊急着陸に成功したの。//nほとんどの人形は生きてるわ。+……まぁ、無事とは言い難いけど。 ()||:手足が千切れ、息も絶え絶えの人形たちは、//n9A91によって落下地点近くに安置されている。//n一方、AK-74Uは墜落時に振り落とされた他の人形を捜索していた。 AK74U(0)AK-74U||:怪我がないのはアタシたち三人組だけみたいだ。//n運がいいって言うべきなのか? AK74U(0);9A91(0)9A-91||:最後の輸送ヘリに乗り込んで墜落……//n生き残りはしたものの、運がいいとは言えないわ。+基地に戻ったら、きっと他の人に笑われる。 AK74U(0)AK-74U;9A91(0)||:「災い転じて福と成す」って言うだろ。+人数を数えてみたんだ、AS Valが最後だな。//n乗ってた人形はみんなここにいる。 ASVAL(0)AS Val;9A91(0)||:私たち、何で墜落したんですか? ASVAL(0);9A91(0)9A-91||:たぶん対空砲か、防空ミサイルね。+いずれにしろ本部に連絡取って、救援隊を派遣してもらわないと……+ヘリの残骸はまだ崩れてない、もしかすると無線がまだ使えるかも。 AK74U(0)AK-74U;9A91(0)||:なら役割分担だな、9A91はヘリで通信機器を修理。 AK74U(0);9A91(0)9A-91||:……なんでわたしが修理するのよ? AK74U(0)AK-74U;9A91(0)||:お前が言いだしたんだろ。それに、お前は作戦で怪我してんだ、//n今戦いに出ても全力を発揮できない。+アタシたちをぬか喜びさせた罰だ、大人しく責任とっとけ。 AK74U(0);9A91(0)9A-91||:ならあなたたちは? AK74U(0)AK-74U;9A91(0)||:アタシとAS Valはヘリの南北に分かれて警戒線を張る……//nヘリが撃ち落されたんなら、近くに敵がいるはずだからな。 AK74U(0);ASVAL(0)AS Val||:もし敵に会ったら……どうするんですか? AK74U(0)AK-74U;ASVAL(0)||:そうなって欲しくはないが、交戦するしかないだろうな。+今アタシたちはメンタルをバックアップできない。//nヘリの仲間たちが破壊されたら、文字通り跡形もなく消えちまう。 AK74U(0);9A91(0)9A-91||:それはそうだけど、あなたたちも無理しちゃダメよ。 AK74U(0)AK-74U;9A91(0)||:わかってる。仕留め損ねたヤツがいたら、9A91に任せるさ。+そんじゃ、分かれて行動しよう。 AK74U(0);ASVAL(0)AS Val||:あの…… AK74U(0)AK-74U;ASVAL(0)||:AS Val、あとで基地で会おうぜ。 ASVAL(0)AS Val||BGM_Empty<黑点1>:……うん、またあとで。 ()||BGM_Room<黑点2>:AS Valは銃とクマを抱え、一人でヘリ残骸付近の高所へと向かった。+雪原の中を歩きながら、彼女は今の形勢について考えた。 ASVAL(0)AS Val||:(本当に……救援は間に合うの?)+(無線が使えるかもわからない……)+(敵を倒せるかどうかも分からない……)+(でも二人とも、示し合わせたみたいに、薄い希望を手放そうとしなかった……失敗する可能性は絶対口にしなかった、まだ全てに希望があるみたいに話してた。)+……+9A91とAK-74U……二人とも、人の気持ちが分かる人だ。 ()||Select:防衛すべき丘までたどり着くと、AS Valは銃を構え、//nクマのぬいぐるみを懐に抱き、独り言を呟いた。 ASVAL(0)AS Val||:クマも知ってるでしょ?初めてグリフィンに着任して、//nキミの他に、誰も友達がいなかった時、//nあの二人が手を差し伸べてくれたの。 ASVAL(0)AS Val||:ハァ……もし私が誰を無事に帰すか決められたら、あの二人にするのにな。+……なんでかって?私がもし死んでも、悲しむのはクマだけで済むもん。+でも、あの二人が……もし死んだら、きっとたくさんの人が悲しむ。+うん、そうだ。きっとそう。 ASVAL(0)AS Val||:やっぱクマが一番。あなたにしか話せないことだってあるし、//nあの二人の前じゃ恥ずかしいもん……あれ? ()||:遠くからの物音が、AS Valの目線を引きつけた。//n彼女は無意識に身を縮めた。+AS Valの視界に、軍の自律人形が大勢現れた。//nその数はとても数体の戦術人形に対処できるものではなかった。 ASVAL(0)AS Val||:……9A91、無線は直りましたか? 9A91(0)9A-91<通讯框>||AVG_tele_connect:バッテリーの状態を確認して、システムを再起動したばかりよ。まだ取り扱い説明書を読んでるとこ。 9A91(0)9A-91<通讯框>||:もぉ!ここまで複雑にする必要ある!? AK74U(0)AK-74U<通讯框>||:どうしたんだ、AS Val、突然そんなこと聞いて?なにかあったのか? ASVAL(0)AS Val;AK74U(0)||:北側から軍の人形が大量に出現……+重装ユニットはいませんけど、凄まじい数です。//n今こちらへ向かって来てます、墜落地点を探してるんだと思います。 ASVAL(0);AK74U(0)AK-74U<通讯框>||:わかった、すぐ行…… ASVAL(0)AS Val;AK74U(0)||:大丈夫です。私が奴らを引き付けて、なるべく時間を稼ぎます。 AK74U(0)AK-74U<通讯框>||:お前……! ()||BGM_EmptyAVG_tele_disconnect:AS Valは通信を切り、クマを胸元に詰めた。 ASVAL(0)AS Val||BGM_Danger:私も友達の役に立ちたいもん。+いくよ、クマ! ()||AVG_pistol_finalshot_sup:AS Valは深く息を吸うと、坂の陰から飛び出し、//n自ら軍の人形の捜索隊に向かって発砲した。 ()||Gunfight:サプレッサーによって銃声を消された銃弾は、何体かの人形を倒せはしたが、//n他の人形がすぐに発砲元を割り出し、AS Valに撃ち返してきた。 ASVAL(0)AS Val||:思った通り……+人間が指揮してなければ、//n自律人形は捜索じゃなくて交戦を優先するんだ。 ()||AVG_pistol_finalshot_sup:全ての敵を殲滅するには力不足だと自覚していたAS Valは、//n数弾発砲するたびに地形を利用して身を隠した。 ()||AVG_pistol_finalshot_sup:軍の人形が目標を見失うごとに、//n彼女は陰から飛び出してこっそりと射撃した…… ()||Gunfight:……自律人形たちは、こうして少しずつ//nヘリから離れた場所へと引き寄せられていった。 ASVAL(0)AS Val||:追ってきた……よかった!+ある程度離れたら、あとは戻ってみんなと合流するだけ…… ()||Gunfight:(銃声) ASVAL(0)AS Val||:こっちにも?うっ! ()||ClothingUp:予想外の方向から放たれた銃弾がAS Valに命中した。//n彼女はフラフラと地面に倒れ、敵の掃射を避けた。 ASVAL(0)AS Val||:膝関節損傷、立って歩けない……もう逃げられない。+こうなったら、できるだけ敵の数を減らすしかない! ()||AVG_pistol_finalshot_sup:状況が急転したにもかかわらず、AS Valはなお冷静かつ慎重に銃を構え、//n地平線上の敵に照準を合わせ、発砲した。 ASVAL(0)AS Val||:(みんなの役に立てたかな?) ASVAL(0)AS Val||:(これが最期だとしても、独りでこの世界とお別れするわけじゃない。私にはクマがいる。) ASVAL(0)AS Val||:(こんな終わり方も……悪くないね。) ()||BGM_Empty<震屏3>Explode<黑屏1>:しかし、突然の爆発音によって、戦闘に酔いしれていたAS Valは我に返った。 ASVAL(1)AS Val||AVG_tinnitus<黑屏2>:ゴホゴホッゴホッ……榴弾?直撃しなくてよかった……あ。 ()||:AS Valは攻撃によって受けた損傷を確認していた。//nその時、視線が胸にしまい込んだクマの上に止まった…… ()||BGM_Sad:あるいは、かつてクマであった綿の塊とでも言うべきか。 ASVAL(1)AS Val||:あぁぁ……ああぁぁぁ…… ()||:きつく握りしめていた銃が、AS Valの手から滑り落ちた。+彼女は震えながら綿の塊を握りしめた。//nどんなに小さな綿くずも、取り零すことのないように。 ASVAL(1)AS Val||:クマ……早く直さなきゃ……クマ…… ()||:冷静に応戦できていた自信は、//n一瞬で完膚なきまでに砕け散ってしまった。 ASVAL(1)AS Val||:クマがいなかったら……+私、もう……+ここで……一人で終わるしかないの……? ()||Gunfight:視界が涙で溢れ、けたたましい銃声が全ての音を覆い尽くした。+圧倒的な絶望の中、AS Valは小声で呟いた。 ASVAL(1)AS Val||<黑屏1>:……でも私……やっぱり死にたくない。 ()AK-74U||<黑屏2>0,5BGM_Empty9:死にたくないなら、銃を取れ! ASVAL(1)AS Val||<黑屏1>:え…… AK74U(0)AK-74U||BGM_stage37<黑屏2>:AS Val、お前何やってんだ!こんなとこで倒れてるヤツがあるか!+メンタルがなくなったら、何もかもお終いだぞ!//n立って戦え!帰ったらお仕置きだからな! ()||:どこからか現れたAK-74Uが、AS Valに向かって大声で叫んだ。+これは幻覚か?それともクマを失ったショックで、//n心が作り上げた架空の友人だろうか? ()||:AS Valは茫然と手中の綿をすくい、コートのポケットに詰め込んだ。 ()||<黑屏1>:そして、地面に落ちた武器を拾い上げた。 ()||Select9:…… ()||Gunfight<黑屏1>:銃声は続いた、ヘリコプターの回旋音が近づくまで。