()||BGM_Moon8:グリフィン司令室にて。 指挥官()指揮官||8:……以上が今回の任務内容だ。 Vector(0)Vector||8:……+本当にあたしでいいの? Vector(0)指揮官||8:何か問題でも? Vector(0)Vector||8:分かってるでしょ、あたしが行っても時間の無駄だって。 Vector(0)指揮官||8:人選は依頼者とIOPがやってるからね。+君の名前がリストに載っているということは、任務を全うできると考えたのだろう。 Vector(0)Vector||8:…… Vector(0)指揮官||8:何か気になるの、Vector? Vector(0)Vector||8:あろうとなかろうと、結果は変わらないよ。 Vector(0)指揮官||8:君らしいね。 Vector(0)Vector||8:とにかく行くよ。//n写真を見て依頼人ががっかりしなければいいけど。 Vector(0)指揮官||8:その……Vector、今回撮るのはウェディングドレス姿の写真なんだ。+楽しみだとか、そういうのはないの?+他のみんなはすごく嬉しそうにしてたけど。 Vector(0)Vector||8:ホンモノの新婦でもあるまいし、期待するだけ無駄だよ。 Vector(0)指揮官||8:(じゃあやっぱり着たいってことじゃないか……)+うーん……そうだね。//n考え方は人それぞれだもんね。+それで任務は…… Vector(0)Vector||8:合格ラインを目標にやっていくよ。 Vector(0)指揮官||8<黑点1>:うん。頼んだね、Vector。 ()||80<黑点2>:撮影当日。 ()||80:FN57の撮影をしばらく覗いた後、私はスタジオビル内の見回りを始めた。+人員配置から設備の点検に至るまで、全ての項目は昨日もチェックした。//nけれど、万一に備えることは大事だ。 ()||80:FN57のところ以外でも、ぽつぽつ撮影は始まっていた。+トイレの前を通り過ぎたその時、Vectorが丁度中から出てきた。 指挥官()指揮官||80:Ve……Vector?! Vector(4)Vector||80:どうしたの、指揮官。+トイレで爆弾でも見かけた? Vector(4)指揮官||80:い、いや。+ただ普段と雰囲気が全然違ったから、ちょっとびっくりしただけだよ。 Vector(4)Vector||80:……びっくりさせてごめん。+撮影でも武器をもっていかなきゃいけないらしいし、きっとあたしは危険な花嫁に見えてるよね。 Vector(4)指揮官||80:い、いや、そんなことは……+そのウェディングドレス、かなり似合ってると思うよ。 Vector(4)Vector||80:お世辞はいいんだよ、指揮官。+……あたしが最後なんでしょ? Vector(4)指揮官||80:うん、他はみんな撮り始めているね。 Vector(4)Vector||80:本物のウェディングドレスらしくて……着るのに手間取ったよ。+髪のセットだけでもずいぶん時間を食われたし、正直骨が折れた。 Vector(4)指揮官||80:お疲れだね、Vector。 Vector(4)Vector||80:任務だから、別に文句はないけど……+こんな写真を撮らないといけない人間の女性って、大変だろうね。 Vector(4)指揮官||80:人間にしたら、いくら面倒くさかろうと、引き換えに甘い思い出が残るのならそれでいいのさ。+そもそもウェディングドレスを身に着けられるだけでも、女性にとっては素敵なことなんじゃないかな。 Vector(4)Vector||80:……そうなんだね。+あたしには分からない……ただの衣服なのに、多くの意義を持たせられてとてもかわいそう。+まるであたしたちみたい…… Vector(4)指揮官||80:うん……いつか分かるよ、きっと……+でも今は、目の前の任務に集中してれば問題ないさ。 ()||80<黑点1>:その後も何か呟いてる様子だったけど、例によって返事はしなかった。 ()||136<黑点2>:撮影は計画通り進んだ。+一番大きなスタジオに足を踏み入れると、ちょうど二組の団体が撮影を終えたところだった。+私たちの今回の護衛対象——その正真正銘の新婚夫婦2名は、次の撮影スタジオに向かおうとしていた。 ()||136:Vectorはいつもの冷めた顔つきで、彼らを見つめていた。 ()指揮官||136:Vector、撮影は順調? Vector(4)Vector||136:表情面でカメラマンに色々文句をつけられたけど、他は問題ない。+指揮官、あの2人がそうなんだよね。 Vector(4)指揮官||136:そう。今回の本当の目的は、彼らが問題なく撮影を終えられるよう、安全を確保することさ。 Vector(4)Vector||136:襲撃が心配なら、ビルをすべて空っぽにして、彼らだけで適当に撮ればよかったのに。 Vector(4)指揮官||136:でもそれだと雰囲気が出ないでしょう?+せっかく撮影に来たのに、空っぽのスタジオに銃を携えた警備員たちだと、幸福感が半減しちゃうよ。+お偉いさんの跡継ぎとはいえ、なんというか……普通の生活を送りたくなることもあるんじゃないかな。 Vector(4)Vector||136:あたしは銃を携えて撮影してたけど。 Vector(4)指揮官||136:彼らにとっては、ちょっと特殊なウェディング広告の撮影道具に過ぎないからね。+2人にとって素敵な思い出になるよう、依頼人もずいぶんと力を入れたようだし。 Vector(4)Vector||136:……つまりあの2人も蚊帳の外なのね。 Vector(4)指揮官||136:誰にも言っちゃだめだよ、Vector。 Vector(4)Vector||136:秘密を洩らす趣味はないわ、指揮官。+それに、洩らす相手もいない。 Vector(4)||136:そう言いながら、次の撮影スタジオに向かう夫婦2名を、Vectorはただ見つめていた。 Vector(4)Vector||136:なんだか嬉しそう。+でも自分たちが嘘に守られているとは、知らないんだろうね。 Vector(4)指揮官||136:Vector…… Vector(4)Vector||136:あたしもその嘘の一部、ただそれだけ。+じゃ、そろそろ戻るね。 ()||136:私とスタッフはトレーンとベールを持ち上げ、彼女とともに撮影スタジオの段差を登った。+水晶が散りばめられた装飾が施されたドレスは重く、本物の新婦さんにとっては重苦しい幸せになりそうだ。+Vectorは背の低い木箱の上に立ち止まり、作業員がドレスの裾を整えていた。 Vector(4)Vector||136:指揮官、さっきからずっとあたしのこと見つめているけど。 Vector(4)指揮官||136:うん……Vector、伝えたいことがある。 Vector(4)Vector||136:命令を下すのに申請は不用だよ。 Vector(4)指揮官||136:命令じゃないよ、Vector。+今回は確かに仕事で来たけど……君にしろ他の人形にしろ、ここで楽しい1日を過ごしてほしいんだ。+だから、任務だからってあまり構えずに、自分用の芸術写真を撮ってもらってるぐらいのつもりでさ。+それなら……少しは気が楽にならないかな? Vector(4)||136:Vectorは黙り込んだ。+錯覚かもしれないけど、一瞬、Vectorの冷ややかな眼差しが緩んだように思えた。 Vector(4)Vector||136:指揮官、そう言われても……虚偽の演出は本物にはなり得ないんだよ。 Vector(4)||136:Vectorは傍の燭台に目をやった。揺らめく炎が、彼女の瞳にほのかな温かみを宿している。 Vector(4)Vector||136<黑屏1>:でも……+刹那的な幸福も、たまにはあっても良いかな。//n嫌いじゃないよ。+それに、少なくとも今この瞬間は本物、でしょ?