()||9<黑屏1>0,10黑屏1>BGM_Empty:
()||8BGM_Hello<黑屏2>:……グリフィン司令室にて。
Vector(0)Vector||:……監視任務だね?+任務も決まったし、他に何もないなら、先に帰って準備してるよ。
Vector(0)指揮官||:あ、ちょっと待って!
Vector(0)Vector||:どうしたの?//n他に何かあるの?
Vector(0)指揮官||:えっと、明後日はハロウィンだね!
Vector(0)Vector||:だから?
Vector(0)指揮官||:だから、Vectorも任務に出発する前に遊んできたらどう?+君には任務と言い換えたほうがいいかな?//nお化けに扮して他の人形たちを驚かせてあげてよ。
Vector(0)Vector||:お化けに扮してって……また新しい悪趣味を見つけてきたの?
Vector(0)指揮官||:(君の中での私のキャラは一体……)+ハロウィンだよこれは!ハロウィン!//n年に一度のハロウィンだよ!悪趣味とかではないんだよ!+みんなもすごく楽しみにしてるんだよ、ハロウィン前夜のイベントを。
Vector(0)Vector||:分かったよ、任務だからね。//nちゃんとやるよ。
Vector(0)指揮官||:任務とは言ってもね……Vectorもたまには気を抜くことを覚えたほうがいいよ。+そうだ。ハロウィンの衣装については、スプリングフィールドに聞いてね。//nあと、お化け屋敷で何をするかは責任者のマカロフに聞いて。
Vector(0)Vector||:了解。//n任務である以上、たとえ子供の遊びであろうと任務は全うするつもりだよ。+明日の夜がそのハロウィン前夜だよね。//n時間がないからもう準備に行くよ。
()||:Vectorは無表情でそう言うと、司令室を後にした。
指挥官()指揮官||<黑屏1>:(大丈夫かな……Vector。)+(まぁ、ハロウィンみたいな楽しいイベントだったら、あの子も皆と楽しい思い出を作れるだろう。)
()||9<黑屏2><黑屏1>:……翌日の夜、ハロウィンイベントが始まった。
()||46<黑屏2>:お化け屋敷コーナーにて。
PM(2)マカロフ||:それで、その衣装でみんなを驚かせるつもり?
Vector(2)Vector;PM(2)||:何か問題が?
Vector(2);PM(2)マカロフ||:その衣装じゃ……ちょっと可愛すぎやしない?
Vector(2);PM(2)||:
()||:お化け屋敷の入り口付近で、マカロフはVectorのハロウィン衣装を見て頭を痛めていた。
Vector(2);PM(2)マカロフ||:猫耳に、肉球に、尻尾。//n……しかもなんで尻尾が二つもあるの?+一体どこで間違いが起きたのよ……
Vector(2)Vector;PM(2)||:それはわからないけど、どちらにせよ「猫女」に変わりないでしょ。+どうせこうなるなら「ご自由に」って答えればよかった。//nその一言で、大抵のふざけた任務に対応できるから。
PM(2)マカロフ||<黑屏1>:……いいわ、あなたが誰かを驚かせられるとも思っていないしね。+とにかく、あなたには第一ステージを任せるよ。//n簡単だし楽だろうからね。
()||<黑屏2>:その他の注意事項をマカロフと確認し、Vectorは第一ステージの「猫女」として、お化け屋敷に入ってくる勇気ある客を待ち構えることとなった。
Vector(2)Vector||:期待されていないことについては本当に申し訳なく思うが、あたしはしょせん嫌われ者の人形だしね。+ていうか……人を驚かせるって、突然背後から大声で叫べばいいのかな?+でも、昨日見た資料によると、無表情で相手の前を横切るのも効果的だって……+恐らくこんな感じで——
PP90(0)???<通讯框>||<震屏>:Vivi!Vivi!+Vivi聞こえる!?
()||:Vectorが人を驚かせる練習していると、通信機が鳴った。
Vector(2)Vector||:……その呼び方はやめてと言ってあるはずだよ。
Vector(2);PP90(0)PP-90<通讯框>||:え?そうだっけ?+いいじゃない、Viviって名前とってもかわいいよ!
Vector(2)Vector;PP90(0)||:……もういいや。//nそれで?
Vector(2);PP90(0)PP-90<通讯框>||:そうだったそうだったそれでなんだけどあともうじきで出発だよね準備はできてる?どうしようアタシ興奮してきちゃったな~だって今回あたしが初めて副官に——
Vector(2)Vector;PP90(0)||:待って。//nこの二日間繰り返し同じことを聞いてきてるけど、もうそれで192回目だよ——そしてこれが193回目。
Vector(2);PP90(0)PP-90<通讯框>||:ええ?アタシそんなに何回も言ってるっけ……+とにかく嬉しいんだよあたしは!Viviもそうでしょ?あたしたちこれで友達だね!
Vector(2)Vector;PP90(0)||:うれしくない。+あなたもこんな嫌われ者といたって、何も楽しくないでしょ。
Vector(2);PP90(0)PP-90<通讯框>||:Viviがまたおかしなこと言ってる~~そんな風に自分を卑下してばっかりじゃだめだよ。+そういえばあなたどこにいるの、一緒にお化け屋敷に行こうよ!
Vector(2)Vector||:お化け屋敷はお客さんを驚かせられる人形なんていないし、何も面白いくない——
()||BGM_Empty<闪屏>10闪屏><黑屏1>0,2黑屏1>:パチッ——
()||9<黑屏2>0,2黑屏2>:VectorとPP90が通信をしている最中に、もともと薄暗かった部屋の中が突然真っ暗になった。
Vector(2)Vector||:停電……ブレーカーが落ちたのかな?
Vector(2);PP90(0)PP-90<通讯框>||:Vivi、そっちで何か起きたの?!
Vector(2)Vector;PP90(0)||:なんともないよ、それにあなたには関係ない。
PP90(0)PP-90<通讯框>||:関係なくないよ、Vivi、私——
()||:PP90が話し終える前に、Vectorは通信を切断した。
Vector(2)Vector||:いつも小さなトラブルが起きてるけど、この基地の電気回路はどうなっているの……+でも任務である以上、勝手に持ち場を離れるのもいけない気がする。+いいや、ここで待ってよう。
()||Runstep:コツ。
Vector(2)Vector||:(何の……音?)
()||Runstep:コツ。
()||:暗闇の中、そう遠くないところから一定のリズムで音が聞こえてきた。+Vectorは壁の隅に張り付き、銃を握りしめた。
()||Runstep:コツ。
Vector(2)Vector||Select:(来た!)
()||Runstep:コツ。
()||:人影が一つ部屋に入り、そこで立ち止まった。//nするともう一つの人影が飛び出してきた。
WA2000(5)???||:いやあああああああお化けぇ!!!
Vector(2)Vector||<黑屏1>0,2黑屏1>:……
()||46BGM_Hello<黑屏2>0,2黑屏2>:Vectorが見つめる先にいるこの人形は、固く目をつぶり、自ら手に握りしめた懐中電灯に顔を照らされている、といった有様だった。
WA2000(4)WA2000||:ごほん……あ、あらVector、ごきげんよう。
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:あたしでごめんね。+まさかこのあたしが驚かせちゃった?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:なっ、なによ!驚いてなんかないわよ!
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:それもそうね。//nこんなバカみたいな恰好じゃ、誰も驚くわけないか。+それで、ハイヒールをコツコツ鳴らしながらここへ来たのは何のため、WA2000さん?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:フンッ、修理よ。//n回路基板を直しに来たの!
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:そうなんだ、頑張ってね。
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:……
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:……
Vector(2);WA2000(4)||:
()||:2人は無言で立ったまま、身じろぎ一つしなかった。//n第一ステージの部屋には、WA2000の懐中電灯の光だけがわずかに揺れ動いていた。
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:それで、今はどういう状況?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:あ、えっと……そうよ!+まっ、万が一の事態に備えて、アンタを使ってあげるわ!+一緒に来なさい!私と電源を直しに行くわよ!
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:なんであたしも?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:万が一の事態に備えてって言ったじゃない!+全部真っ暗になっているのよ、もし敵がこっそり入ってきたらどうするのよ……
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:でも、あたしはまだ任務の最中で、勝手に持ち場を離れるわけには……
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:バカね!一刻も早く明かりを取り戻すのも任務なの!
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:……WAさん、一人で行くのが怖いの?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:バッ、バカ言ってんじゃないわよ!万全を期すために決まってるでしょ!+とにかく、アンタにはついてきてもらうからね……
Vector(2)Vector||:……+そうだね、どっちにしろあたしはここにいても役に立つわけじゃないし。+そう考えると、電力を取り戻す方が確かに先かも……
()||<黑点1>:VectorはWA2000の期待のまなざしに仕方なく応え、第一ステージの部屋を出て、お化け屋敷の奥へと進んで行った。
()||<黑点2>:……+結果、二人はお化け屋敷内で10分ほど行ったり来たりを繰り返した。
Vector(2)Vector||:あの、WAさん。//nどうして直接電気供給室に行かないの?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:え?……あっ、あの……あれよ!+安全な通路を探しているのよ。
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:あなたもエリート人形なんじゃなかったっけ、そんな怖気ついていたらまずいんじゃない?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:そっ、それはここがお化け屋敷だからよ、突然何かが出てきてもおかしくないし——
Vector(2);WA2000(4)WA2000||<震屏>:そ、それに、この私が怖気つくわけないじゃない!
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:そういう性格ってなにかと不便そうだね、あたしたちは兵器なのに。
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:兵器とは言っても、Vectorだって性格を設定されているでしょ?+それも……かなり特殊なやつを。
Vector(2)Vector;WA2000(4)||BGM_Empty:人形が感情をもつなんて、初めからから間違っているのよ……+だからあたしは自分が余計に嫌いなの。
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:Vector……
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:ん?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:少なくとも私は、間違いなんかじゃないと思ってるわ。+私たちはただの兵器だけど……でもこの感情は、自分が——
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:生きてると思わせてくれる?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:そうね、そんなところよ。
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:あなたもバカね。//n人間じゃないのに、生きているって実感が必要なの?
Vector(2);WA2000(4)WA2000||:そっ、それは私が人間じゃないことと何も関係ないじゃない!+私はただ、もっと……
Vector(2)Vector;WA2000(4)||:電気供給室に着いたみたいだね。
WA2000(4)WA2000||:……
()||:VectorとWA2000は目的地にたどり着いた。+WA2000は回路を調べるため室内へと入っていった。
WA2000(4)WA2000||:ここがそうなのね……+一緒に来てくれてありがとう、Vector。
Vector(2)Vector||:お礼はいいよ。//nあたしもただ電力をいち早く取り戻したかっただけだし、あなたを助けたつもりはないよ。
()||<黑点1>:そう言うと、Vectorは電力供給室を出た。
Vector(2)Vector||<黑点2>GF_Memorial:……+人形に感情なんて……あるべきじゃない……
Vector(2)指揮官||:ん?何があるべきじゃないって?
Vector(2)Vector||:……指揮官?+いや……何でもない。来たんだね。
Vector(2)指揮官||:一緒にいく?
()||:Vectorは何か言いたげだったが、やがて何も言わず頷いた。
()指揮官||:Vectorはどうだった?このイベント。
Vector(2)Vector||:この間言ったのと同じ。//n停電したのは意外だったけど。
Vector(2)||46<关闭蒙版><闪屏>10闪屏>:Vectorが言い終えたところで、お化け屋敷の電力がちょうど戻った。+明かりが着くと、Vectorの気まずそうな表情がはっきりと見えた。
()指揮官||:これはこれで、楽しいイベントだったでしょ?+たまにはこうやって、他の人形と遊ぶのも悪くないんじゃない?
Vector(2)Vector||:こんなの無駄だと思わないの?
Vector(2)指揮官||:どうして?
Vector(2)Vector||:……あたしはこういう人形なの、こういう風に設定されているの。+一回や二回イベントに参加したぐらいで、あたしが他の人形みたいになるとでも?
Vector(2)指揮官||:私も別に、君を他の人形たちと同じようにさせるつもりはないよ。+君はいつでも君なんだから、そのままでいいんだよ。+私はただ……君にここで、何人かの友達ができればいいなと思っただけなんだよ。
Vector(2)||:Vectorはしばらくの間黙り込んだ。
Vector(2)Vector||:指揮官、あなたは人形に感情があることが間違いだとは思わないの?
Vector(2)指揮官||:もちろん。
Vector(2)Vector||:なぜ?//nあたしはただの人形、ただの兵器にすぎないの。+兵器に……こんな無駄な感情モジュールを埋め込んで一体どうしろと言うの?+初期設定で既にこの有り様なのに、どうしてさらに……
Vector(2)指揮官||:Vector……そこら辺のことは、私にはよくわからない……+だけど私が思うに、きっとそのうち答えは見つかると思うよ。
Vector(2)Vector||:……答え……?
Vector(2)指揮官||:なんで君が君で、私が私なのか。+実のところ、私にもよくわからないよ。//nでも、それは別に大した問題じゃないと思う……+感情の有無とか、無駄なモジュールが入ってるとか、そんなことは関係なく、君は君だよ。//nViviはViviなんだよ。
Vector(2)Vector||:……
Vector(2)指揮官||:私が今回君に来させたのは、別に君が人形だとか、性格が悪いとか、初期設定をたたき直したいとか、あるいはグループに馴染ませたいとか、そんな理由じゃないんだ。+私はただ、君に楽しいと思ってほしかっただけさ。
Vector(2)Vector||:(平気な顔して「性格が悪い」とかいう、指揮官のほうが性格悪いでしょ……)+(しかもあたしに楽しいって思ってほしいなんて……)
Vector(2)Vector||:……え?ちょっと待って。+指揮官、どうして突然カメラなんか……
Vector(2)指揮官||:記念だよ、記念撮影。+せっかくの楽しい楽しいイベントなんだから、思い出の一つぐらい残したっていいじゃない?
Vector(2)Vector||:楽しい楽しいって……あなたは本当に単細胞指揮官なんだね……+まぁいいわ、それでどうやって撮るの?
Vector(2)指揮官||:Vectorが人を驚かせるところが見たい!+この衣装は猫女でしょ?//nなら猫女っぽいお化けポーズをとってみてよ。
Vector(2)Vector||<黑屏1>:そんなのやったことないから、期待しないでね……+多分……こんな感じでしょ——
Vector(2)||<闪屏>10闪屏>:
Vector(2)||<黑屏1>0,2黑屏1>:……
()||9<黑屏2><黑屏1>:彼女を本当の意味で理解するまでは、まだまだ時間がかかりそうだ。+私の話を遮ることと、皮肉屋なこと……私があの子についてわかっているのはこれぐらいだ。+……しかしこのポーズを「お化けポーズ」だと認識しているなんて、私の目にはただの単純でいい子にしか映らないな。+カメラのシャッターを切った瞬間、私はどうしようもなさとちょっとした面白さを感じながら、そんなことを思っていた。