()||9<黑屏1>0,10黑屏1>BGM_Empty:
()||<黑屏2>GF_Memorial82:グリフィンの人形宿舎にて。+SAT8は机に向かいながら、リストの項目を一つずつ確認していた。
SAT8(0)S.A.T.8||:イベント参加者に問題は……なさそうですね。+イベント用の衣装も……はい、全部作り終えました。+あとは……
()||:……ピッ。+……通信が入った。
SAT8(0)S.A.T.8||:あっ、カリーナさん!
SAT8(0);NPC-Kalin(0)カリーナ<通讯框>||:S.A.T.8さん、今お時間大丈夫ですか?+この前申請していただいたものですが、なんとかなりましたよ。
SAT8(0)S.A.T.8;NPC-Kalin(0)||:それは良かったです!カリーナさん、ありがとうございます!
SAT8(0);NPC-Kalin(0)カリーナ<通讯框>||:大したことじゃないですよ、どうせしばらく使われていなかったところですし。+ただ、まだ搬送の出来ていない大型の機材が残っていますから、使う時は気を付けてくださいね。+それから指揮官さまの方についてですが……
SAT8(0)S.A.T.8;NPC-Kalin(0)||<黑点1>:分かっていますよ、カリーナさん。安心してください。+皆さんには秘密を守るよう言いつけておきますので。
()||<黑点2>:……通信終了。
SAT8(0)S.A.T.8||:うんうん……これで場所の確保も出来ました。+それから必要な小道具も……全部揃っていますね。+よし、準備万端です!あとはハロウィンを待つだけですね……
SAT8(0)||:リストの内容を全てチェックし終えた後、S.A.T.8は大きく息を吐いた。
SAT8(0)S.A.T.8||:ようやく全ての確認が終わりました。+こんな小さなイベントの準備でさえこれだけ大変とは……今まで色んなイベントを主催してきた人形さんたちには頭が下がりますね。+しかし……
SAT8(0)||:S.A.T.8は机にあるリストを全部まとめると、口元に微かな笑みを浮かべた。
SAT8(0)S.A.T.8||<黑屏1>:(はぁ、どうしてこんな量のかぼちゃの飾りを作ってしまったのでしょう……今となってはむしろ邪魔になるばかりです。)+(ブレンさん、きっと怒ってますよね。みんなワタシのせいですし……)+(まだまだ一人前の人形にはほど遠いようですね……)
()||<黑屏2><黑屏1>9BGM_Empty:……ハロウィンの前夜。+万全の準備をしたのにもかかわらず、誰も予想だにしなかったアクシデントがやはりS.A.T.8を襲うのであった。
SAT8(4)S.A.T.8||<黑屏2>96:ううう……どういうことですかー!どこなんです、ここ?!+皆さんは?……どうしてこんなことになってるんですか――!!
BrenMK(2)ブレン||<黑点1>:S.A.T.8!落ち着け!+ブレンだ、いま隣にいる!
()||<黑点2>97:……+S.A.T.8は落ち着きを取り戻すと、ブレンと共に電子空間の出口を探し始めた。
SAT8(4)S.A.T.8||BGM_Room:(怖い話にビックリしてしまったのはいいとしても、まさか電子空間で迷子になるなんて……)+(主催者のワタシがこんな取り乱してるのを見て……げんなりしてるだろうなあブレンさん……)+(うぅ……)+(ずっとこのまま何も喋らないのも気まずいですし、やっぱり何か話題を……)
SAT8(4)S.A.T.8||BGM_Room:お、大きな劇場ですね。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:そうだな。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||<震屏>:……キャッ!
SAT8(4);BrenMK(2)||:転びそうになるS.A.T.8を、ブレンは腕を掴んで支えた。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:大丈夫か?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:大丈夫です……かぼちゃの飾りに躓いてしまっただけです。+こんなことならたくさん持って来るんじゃありませんでした……+まぁ、まさかこうなるとは誰も予想できなかったでしょうけど、ははは……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:お前……本当に大丈夫なのか?+グリフィンのエリート人形なら、こんな状況に直面しても冷静でいるべきだろう。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:ごめんなさい、迷惑をかけてしまって……何とか落ち着きますので。
SAT8(4)S.A.T.8||<黑点1>:(はぁ、どうしてこんな量のかぼちゃの飾りを作ってしまったのでしょう……今となってはむしろ邪魔になるばかりです。)+(ブレンさん、きっと怒ってますよね。みんなワタシのせいですから……)+(まだまだ一人前の人形にはほど遠いようですね……)
()||BGM_Empty<黑点2>:……数分後。
()||BGM_Danger:廊下の突き当りまで来たところで、S.A.T.8とブレンは今まで見たことの無い何かを目にした。+それらは気味の悪い色を纏い、まるでごちゃまぜになった絵具のように、絶えず己の外見を歪ませながら変化し続けている。+また、半透明の幻影でありながら、人間のものとは思えない鋭く低いノイズを発しおり……+S.A.T.8が耳を塞ごうと、その響きは彼女のメンタルモデルへと直接届いていた。
BrenMK(2)ブレン||:お前の言うとおり、やはりあまりよくない物のようだな……
SAT8(4)S.A.T.8||:電子……幽霊……
BrenMK(2)ブレン||:走れ!S.A.T.8!奴らが来る!
()||:電子幽霊たちはブレンとS.A.T.8に向かって一斉に飛び出してきた。ブレンはそれを払い除けながら、S.A.T.8を引っ張り、暗い廊下の中を駆けていく。
BrenMK(2)ブレン||:どうやらお前の言う通りになったようだな。
SAT8(4)S.A.T.8||:ご、ごめんなさい……+何とかしてここから脱出する方法を考えます!
BrenMK(2)ブレン||<黑点1>:いいや、こうなったのは私のせいでもある……+とにかく今は走れ。あいつらに取り憑かれたらどうなるか分からないぞ!
()||<黑点2>:……+二人は廊下の中を戦いながら走っていく。
BrenMK(2)ブレン||:S.A.T.8!後ろだ!
SAT8(4)S.A.T.8||:あっ……しまった!
()||:……ピッ。
FAMAS()Fr FAMAS||:ブレン!S.A.T.8!どこにいるのですか?+わたくしの声が聞こえますか!
()||:どこから入ってきたかも分からない信号はすぐさま弱まり、ざわめくノイズの中へと消えていった。
SAT8(4)S.A.T.8||:ブレンさん、聞こえましたか?今のは……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:ああ、誰かが私たちを呼んでいたようだ。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:あれはFAMASさんの信号でした。ですが、彼女は今回のイベントには参加していません。+もしかすると、すでに誰かがワタシたちの失踪に気づいたのかもしれません!そうであれば、もうすぐ助けが来るはずです!
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||<黑点1>:本当にそうだといいが。
()||<黑点2>BGM_Empty96:S.A.T.8とブレンは廊下の突き当りのドアを開いた。
BrenMK(2)ブレン||BGM_Brain:……また劇場に戻ったのか?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:見た目は同じですが、前いた劇場とは座標が違います。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:ここにあの幽霊たちはいないようだな。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:良かったぁ、ここで少し休みましょう。ワタシもこの空間の出口を探してみます。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:……面倒をかける。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:面倒だなんてそんな、みんなグリフィンの仲間ですから……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:分かっている……
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:では、周りの警戒をお願いしますね。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:ああ。
SAT8(4)S.A.T.8||:(もうこれ以上やらかすわけにはいきません!必ずブレンさんと一緒にここから脱出してみせます。)+(よし、データベース検索開始……)+……+(ここから脱出できるノードは一体どこに……)
BrenMK(2)ブレン||:S.A.T.8!奴らが来たぞ!
SAT8(4)S.A.T.8||BGM_Empty:えっ?!
()||BGM_Boss:大量の電子幽霊が、劇場の壁をすり抜けて、瞬く間に二人を包囲した。
BrenMK(2)ブレン||:チッ、数が多すぎる!+S.A.T.8!出口は見つかったか?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:ま、まだです……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:……なら強行突破するしかなさそうだ。一旦安全なところまで出るぞ!
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:ですが、逃げたところでまた追いかけてきます。+何か別の方法を……
SAT8(4);BrenMK(2)||:S.A.T.8が辺りの状況を見渡すと、かぼちゃの飾りの側で幽霊が何体か動きを止めている事に気づいた。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:もしかして……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:S.A.T.8、なにか分かったのか?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:彼らはかぼちゃが好きみたいです。+ブレンさん、このかぼちゃを遠くへ投げてみてください!
BrenMK(2)ブレン||:チッ……なんだかアホらしい気もするが、何もしないよりはマシか。+このかぼちゃはくれてやる、さっさとこっから離れやがれ!
BrenMK(2)||:ブレンはかぼちゃの飾りを一つ拾い上げ、遠くへと投げ出した。+すると、集まってきていた幽霊たちは向き変え、かぼちゃの飾りの方へと押しかけていった。
SAT8(4)S.A.T.8||<黑点1>:よし、このまま引き離しましょう!
()||9<黑点1>BGM_Empty:……+S.A.T.8たちによるかぼちゃの乱投によって、二人を包囲していた電子幽霊たちはすぐに散り散りとなった。
()||<黑点2>88:その機に乗じ、S.A.T.8とブレンは劇場から離れ、近くの倉庫のような部屋へ入った。
SAT8(4)S.A.T.8||:ここで引き続き出口を探しましょう。+ワタシの演算能力にも限界はあるので、検索には少し時間がかかると思います……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:問題ない……今ならいくらでも時間は取れる。
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||BGM_Moon:あと、それから……
SAT8(4);BrenMK(2)||:S.A.T.8は自分につけていたかぼちゃの飾りを取り外し、隣にあった箱の上に置いた。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:どうした?出口を探すんじゃなかったか?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:すでに検索はしていますよ。+ただ……このまま待つのではブレンさんが退屈してしまうでしょうし……+ここでイベントの続きでもしようと思ったんです。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:……お前なあ、こういう時ぐらい集中したらどうなんだ?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:すでに電子戦モジュールをフル稼働で走らせてるので、これ以上ないほどに集中していますよ。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:エリート人形のくせにわがままだな……+まぁいい、好きにしろ。どうせこうでもしなきゃ集中とでも言いたいんだろう?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:ふふっ……今は安全な上、他にやることもありませんから。+順番的に、次はワタシの番ですね。
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:怖がりが怪談を話して本当に平気なのか?
SAT8(4)S.A.T.8;BrenMK(2)||:み、見くびらないで下さい!+このイベントに参加した以上、覚悟はできていますから!
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||BGM_Empty:わかったわかった、ならその覚悟を見せてもらうとしよう。
SAT8(4)S.A.T.8||BGM_NightOPS:はい、それでは。これは、とある島でのお話です……+昔々、とある小さな島がありました。その島は、人間たちの間で疫病が流行った際、病人たちを送り込んで治療するために使われていた島なのですが……+疫病が流行る時期になると、どれだけ離れていようと、島から悲惨な叫び声が浜辺に住む人たちに聞こえくるというのです。+本来なら届くはずのない距離から聞こえてくるその叫び声は、まるで聞く人の心に直接訴えかけるように……
SAT8(4)S.A.T.8||:……+(あれ……?確かさっき遭った幽霊たちの声も、そんな感じだったような……)
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:おい……S.A.T.8、手に持ってるかぼちゃ、握り潰されかけてるぞ。
SAT8(4)S.A.T.8||:ま、まだお話は終わっていません!+そして疫病が去り、島のことも忘れ去られていたのですが……+しばらくして、好奇心に満ち溢れた心霊番組の撮影スタッフたちが、その島に上陸したのです。+彼らは、その島を探険する様子を配信していましたが、配信の途中で視聴者たちは気づいてしまったのです。撮影スタッフたちが一人、また一人と消えていたことに……そして、最後には配信自体が突然中断されてしまいました。+それ以降、彼らの姿を見た者はいなかったと言われています……
SAT8(4);BrenMK(2)ブレン||:S.A.T.8、お前、顔色が……+S.A.T.8?S.A.T.8!
SAT8(4)S.A.T.8||:……キャアアアァァァ!
BrenMK(2)ブレン||<黑屏1>:落ち着け、S.A.T.8!+まったく……自分で自分の怪談に驚いてどうするんだ!
()||<黑屏2><黑屏1>BGM_Empty9:……+その後、落ち着きを取り戻したS.A.T.8は、無事電子空間の出口を見つけ出すことに成功し……+二人は一緒に現実の世界へと戻ったのであった。
()||<黑屏2><黑屏1>129:……ハロウィン当日。
SAT8(0)S.A.T.8||GF_Memorial<黑屏2>:……ふぅ、終わりました。+計画通り、残ったかぼちゃも無駄なくお菓子として生まれ変わりましたし。+はぁ、ワタシが唯一計画通りにこなせた事といえばこれだけですね。+とりあえず、これをみんなへの差し入れに配りましょう。昨日は色々と大変でしたし……
()||<黑点1>:S.A.T.8は出来立てのかぼちゃのお菓子をバッグへ入れ、キッチンから離れた。
SAT8(0)S.A.T.8||<黑点2>18:この時間なら、みんなカフェにいるはずですよね。+ブレンさんもいるでしょうか?昨日のこと、誰かに言いふらしたりしてないといいですけど……+はぁ……自分の話した怪談話に怯えてしまうなんて、ホント恥ずかしいです……
()||<黑点1>:S.A.T.8のカフェへと向かう足取りが少しずつ重くなる。
()||<黑点2>:……カフェの入り口前にて。
SAT8(0)S.A.T.8||:背に腹は代えられません、いずれ向き合わなければならないことです。+一人前の人形として、勇気を振り絞るのです!
()||<黑点1>:S.A.T.8は自分に活を入れて、カフェのドアを押した。
指揮官()||<黑点2>87:おや、S.A.T.8じゃないか。やけに遅かったね?
SAT8(0)S.A.T.8||:ししししし指揮官?!+どどどどうしてここに?!
指揮官()||:えっと……休憩がてら、ここに来てた子たちと話をしてただけさ。+みんなから聞いたよ、今からここでお祝いをするんだって?
SAT8(0)S.A.T.8||:(よかったぁ、指揮官はどうやら偶然来ただけのようですね。)+(昨日のことが指揮官の耳に届いてませんように……)+はい……確かに約束していました。お菓子の準備をしていて少し時間がかかっただけですよ。+私の手作りのかぼちゃパイです、指揮官もお一つどうですか?
指揮官()||:おっ、じゃあお言葉に甘えて……ん~!美味しいよ!
SAT8(0)S.A.T.8||:お口に合ったようで何よりです。
指揮官()||:みんなに気配りできるなんてさすがだよ、S.A.T.8。
SAT8(0)S.A.T.8||:そ、それほどでも……ワタシは自分にできることをしたまでです。
指揮官()||:それじゃあ、私は先に行ってくるから、奥にいる子たちは頼んだよ。+君がいれば、トラブルのない良いハロウィンに出来そうだね。
SAT8(0)S.A.T.8||:は、はい……必ずご期待にお応えします!
()||:……指揮官はカフェを去った。
SAT8(0)S.A.T.8||:うぅ……指揮官にここまで信頼されてると思うと、なんだか恥ずかしいですね。+一人前にはまだまだ程遠いというのに……+ですが、この信頼に応えるためにも頑張らなければ!+よーし、プチハロウィンパーティの開幕ですよ!
()||<黑屏1>:S.A.T.8は自信満々に、カフェの中へと入っていった。
S.A.T.8()||9<黑屏2><黑屏1>:皆さーん、指揮官お墨付きのかぼちゃパイを持ってきました――+一緒に食べましょう!