()||81GF_Memorial:パーティー会場に踏み入ると、そこはなんだか静まり返っていた。+人形たちは長テーブルの前に立ち、まるで私を待っているかのようだった。
指挥官()指揮官||:なんでみんなして突き立ってるの?//nもう始めてていいよ。
M1903(2)スプリングフィールド||:指揮官、ちょうど最後のプレゼントを配るところなんです。+みんなはもうプレゼントを受け取って……残るは指揮官だけです。+私たちが丹精込めて準備したクリスマスプレゼント、ぜひ受け取ってください。
()||:人形たちが左右に退くと、台車に載せられた大きな箱が、私の前まで運ばれてきた。//n箱にはリボンもかかっている。
指挥官()指揮官||:なんのプレゼントだろう……?+それにしても、大きいね。
春田()スプリングフィールド||:開けてみれば分かりますわ。
指挥官()指揮官||:じゃ、開けるよ。+ハサミある?
()||:リボンを一本ずつ切っていき、蓋を開けようとしたそのとき、箱の中から何やら物音が聞こえてきた。
()||ClothingUp<震屏>:突然、箱の内側からものすごい力で蓋が押し開けられ、私は反射的に後ろに避けた。//n飛ばされた蓋は、私の鼻先をかすめて落ちていった。
指挥官()指揮官||:……あ、危なかった。
()||:ほっとする間もなく、今度は箱の縁につかまる2つの手が見えた。+それに続いて現れたのは、人形の亜麻色の髪だった……
KP31(2)指揮官||:もしかして……スオミ?!+なんで中に?
KP31(2)スオミ||:指揮官、それはいいから、まずは私の話を聞いてください!
指挥官()指揮官||:え……うん。
KP31(2)スオミ||:おっほん、えっと……+では、すべての人形を代表して、指揮官にクリスマスの祝福を捧げます。
KP31(2)||:スオミは真剣な表情で雪の結晶が舞う水晶玉を差し出してきた。+私は状況がつかめないまま、流れでそれを受け取った。
KP31(2)||81:すると、部屋の照明が落とされた。
KP31(2)スオミ||:親愛なる指揮官。+私たちのためにクリスマスイベントを企画してくださって、ありがとうございます。+私たちにとって、これが指揮官と過ごす初めてのクリスマスであり、家庭の温かさを感じ、自分だけのプレゼントを手にしたのもすべて初めてなのです。+指揮官、あなたこそ、私たちにとって唯一無二のサンタクロースです。
KP31(2)||81:スオミの言葉が終わると、部屋中のロウソクが一斉に灯された。+続いてスオミの歌声が聞こえてきた。
KP31(2)スオミ||:Dashing through the snow……+On a one-horse open sleigh……
KP31(2)||:スオミの歌声を聞くのは初めてだ。
KP31(2)スオミ||:Over the fields we go……+Laughing all the way……
KP31(2)||:音楽が好きだということは知っていたが……
KP31(2)スオミ||:Bells on bob-tail ring……+Making spirits bright.
KP31(2)||:彼女の歌声がこんなにも美しかったとは。
KP31(2)スオミ||:What fun it is to ride and sing+A sleighing song tonight
()||:スオミの独唱が終わると、今度はみんなの合唱が始まった。+なぜか目頭が熱い。+歌が終わると、私はひたすら彼女たちに大きな拍手を送った。//nそれしかできなかった。
指挥官()指揮官||:ありがとう、みんな。+こんな素敵なクリスマスイブ、初めてだよ……
()||BGM_Empty<黑屏1>:感謝と感動の気持ちをこれから伝えようとした時、予想外の出来事が起きてしまった。
KP31(2)スオミ||9:それではクリスマスイブのダンスパーティー、始めまーす!+みんなが盛り上がれる曲を選びましたので、それではどうぞ!
指挥官()指揮官||:スオミ!待て——
()||:しかし、彼女がそこに移動したことに気付いた頃には既に遅かった。+スオミは手に持っていた「METAL X-MAS」と書かれたCDをセットした。
()||BGM_Battle<震屏>:耳をつんざくヘヴィメタルの激しいメロディーが会場全体に轟いた。+ほとんどの人形は耳を塞いでいたが、中には爆音に驚くこともなく、楽しそうに聞き入る者もいた。+一方、会場の警備に当たっていた人形たちはプロの仕事っぷりを発揮してみせた。
FAL(2)FAL||:プレイヤーを止めてくるわ!+MG5はスオミをどこかに連れてって!
MG5(2)Gr MG5||:スオミ、悪く思うな!
NTW20(2)NTW-20||:プレイヤーのスイッチ、あったぞ!
()||:こうして、ヘヴィメタルはゆったりとした音楽へと切り替えられた。
()||81<黑屏2>BGM_Empty:すぐさま、会場内も元の和やかなムードへと戻っていった。+──隅でへそを曲げているスオミを除いては……。
指挥官()指揮官||GF_Memorial:スオミ、あっち行って何か食べようよ。
KP31(2)スオミ||:……行きません。お腹空いてませんので。
KP31(2)||:やはり音楽を止められたのが気に食わないらしい。
指挥官()指揮官||:さっきかけてた音楽って?
KP31(2)スオミ||:私が一番好きなバンドの曲です。+パワーを与えてくれる素敵な音楽なのに……なんでみんな好きじゃないのかな。
指挥官()指揮官||:そうじゃないよ、スオミ。+さっきの音楽は確かに……マイナーではあるけど、何人かは楽しそうに聞いていたよ。
KP31(2)スオミ||:本当に?//n……この中にもセンスの良い人形がいたのですね。+指揮官はヘヴィメタル好きですか?
指挥官()指揮官||:うん……そうだね、いつでもってわけじゃないけど……
KP31(2)||:スオミは少しがっかりしたように俯いた。
KP31(2)スオミ||:あの手の音楽が理解されにくいことは知っています。+でも、あれは私の故郷の自慢の一つなんです。//nだから……もっとたくさんの人に好きになってもらいたくて……。
指挥官()指揮官||:分かってるよ。//nまあ、その……たまに聞いてみると、意外と良かったりするものだし……
KP31(2)||ClothingUp:スオミは顔を上げ、暫く私を見つめた。//nそして、そばのプレゼントの山から1枚のCDを取り出した。
KP31(2)スオミ||:指揮官も試してみたければ、これをどうぞ。+初心者向けだから……わかりやすいと思うんです。
指挥官()指揮官||:私にくれるの?
KP31(2)スオミ||:はい。
指挥官()指揮官||:でもプレゼントなら、さっき君からもらったじゃないか。
KP31(2)スオミ||:あれはみんなからのプレゼント……これは私からのプレゼントです。
KP31(2)||:そう言うと、スオミはいじけるように手を引っ込めた。
KP31(2)スオミ||:指揮官がいらないと言うのなら……無理にとは言いません。
指挥官()指揮官||:そんなことないよ。+クリスマスにもらうプレゼントは、私にとってどれも大切なんだから。//nこれ、聞かせてもらうね。
KP31(2)||:そう言ってスオミからCDを受け取ると、彼女の表情はみるみるうちに明るくなった。
KP31(2)スオミ||:しっかり聞き込んでくださいね。+今ではなかなか手に入らないCDなんですから。//n私の故郷の素晴らしさを伝える大切なものなんですよ。
指挥官()指揮官||:うん、保証するよ。
()||<黑屏1>:スオミは笑顔を取り戻し、パーティーの輪に戻っていった。+そして私も、彼女たちと忘れがたい一夜を過ごした。